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2011年5月 8日 (日)

災害:巨大地震や原発被災、「毎日小学生新聞」が画像表示などあり分かりやすいので資料保存。

 以下、資料として保存(他の防災関連エントリーリンク紹介は末尾)。

 「Newsがわかる」より(←頁内ジャンプ)

 

ニュースがわかる・災害:巨大地震でまち壊滅/1 想像を絶する被害
http://mainichi.jp/select/wadai/wakaru/others/archive/news/2011/20110322org00m040024000c.html
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岩手県陸前高田市では家の6割以上が津波にのみこまれた。被災した人を助けるため、がれきの中を歩く自衛隊員=2011年3月13日

 ◇M9.0の東日本大震災

 3月11日午後2時46分ごろ、東北地方で巨大地震が起こった。宮城県栗原市で震度7を記録したほか、東京の中心部で震度5強など北海道から九州の広い範囲で震度6強~1のゆれを観測した。震源の深さは約24キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は日本で観測史上最大、1900年以降で世界史上4番目にあたる9.0だった。

 この東日本大震災は巨大津波を引き起こし、東北の太平洋沿岸を中心に想像を絶する被害をもたらした。亡くなったり行方がわからなくなったりした人は約3万人。福島第1原発では爆発事故が起こり、放射性物質がもれ出す大変な事態になった。

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東日本大震災の発生後、火災が起こった宮城県石巻市の住宅街=3月11日午後5時57分

 ◇東北中心に死者・不明者約3万人

マグニチュード(M)……震源(地震が起こった場所)における地震の大きさ。それに対し「震度」は、地震が起きたそれぞれの場所でのゆれの大きさ。

 震度7は、最高ランク(※)のすさまじいゆれです

 ※気象庁の震度階級表による

ニュースがわかる5月号

    毎日小学生新聞
    巨大地震でまち壊滅/2 「プレート境界型」
    巨大地震でまち壊滅/3 10分以内に大津波
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ニュースがわかる・災害:巨大地震でまち壊滅/2 「プレート境界型」
http://mainichi.jp/select/wadai/wakaru/others/archive/news/2011/20110322org00m040025000c.html
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 ◇プレートの境目で大地震が3回起こった
 ◇震源域、海中で南北500キロにも

 東日本大震災は、三つの大きな地震が次々と重なって起こった。

 最初の地震は3月11日午後2時46分、岩手県と宮城県の三陸沖でM8.8の大きさで発生。わずか150秒後、南の福島県沖を震源とする地震があり、続けてさらに南の茨城県沖を震源とする地震も起こった。この間だいたい6分。

 三つの地震の震源域(地震が起こった地域)は南北500キロ、東西200キロとみられ、地震の大きさは合計でM9.0に及ぶ。

 震源のあたりは地震が多いところなんだね。

 ああ。今回の震源域の近くに、これまでくり返し起きてきた「宮城県沖地震」の震源域がある。でも東日本大震災は、宮城県沖地震の予想規模よりずっと大きかった。

 広い地域にある複数の震源が連なって動いたんだ! それで最大級の地震になったんだね。

 同じタイプの巨大地震には、チリ地震(1960年、M9.5)、スマトラ沖地震(2004年、M9.0)がある。後者は大津波などで28万人以上が亡くなった。

 ◇断層が大きくはね上がり、巨大地震になった

 地球は、陸や海をのせた10枚ほどのプレート(岩板)でおおわれている。それぞれ年に数センチの速度で動き、プレートどうしが押したり引いたりする巨大な力が地震を引き起こしている。

 東日本大震災は、プレートの境目で発生する「プレート境界型地震」だ。海側の太平洋プレートが陸側の北米(北アメリカ)プレートの下にもぐりこむ境目で起きた。地震の規模が巨大だったのはプレートのずれが大きかったから。岩手県から茨城県までの断層が20メートルはね上がったとみられる。

・断層……地層の割れた部分。

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 ◇巨大地震になる「プレート境界型」

 プレート境界型地震は異なるプレートの境目で起きる。沈みこもうとするプレートによって押し下げられたもう一つのプレートがひずみに耐えきれず、はね返って巨大地震を引き起こす。10万人以上の犠牲が出た1923年の関東地震(関東大震災)がこのタイプ。過去に大きな被害をもたらした東海地震、東南海地震、南海地震も同様だ。

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 ◇プレート境界型地震の特徴

・M8以上の巨大地震になる

・被害の範囲がとても広い

・津波が発生する

・同じような場所でくり返し発生する

 直下型の活断層地震というのもある。Mは小さめでも、まちを直撃するとひどい被害が出る。1995年の阪神大震災が代表例だニャ

ニュースがわかる5月号

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ニュースがわかる・災害:巨大地震でまち壊滅/3 10分以内に大津波
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 ◇巨大津波が一気に
 ◇地震後10分で沿岸に

 海底を震源とする巨大地震は津波を引き起こす。東日本大震災がこれほど大きな犠牲を出したのは大津波のせいだ。

 今回の大津波は、地震発生後わずか10分以内で東日本各地の沿岸に到達した。三陸沖から茨城沖にいたる南北に長い断層が動いたため、広い範囲の沿岸にほぼ同時に着いた。

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陸に押し寄せ、家をのみこむ大津波=宮城県名取市で2011年3月11日

 ◇入り江の地形に津波集中

 沿岸の特殊な地形も被害を大きくした。湾や三陸リアス式海岸のV字形地形のようなところでは津波が集まりやすい。宮城県の仙台市や石巻市などが面する仙台湾では、入り江の地形に沿って津波が集中。水が一気に押し上げられ、高いところでは十数メートルに上った。

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 ◇自動車の速さでおそいかかる

 津波は、海底の地形が動いて海水が持ち上げられ、大きな波となって四方八方に広がる現象だ。伝わる速さは海が深いほど速く、海岸近くまでくると遅くなる。そのため、陸地に近づくにつれて後からきた津波が先にきた津波に追いつき、陸に到達したときには波がとても高くなる。その速さは自動車ほどで、エネルギーも大きい。

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ニュースがわかる・災害:巨大地震でまち壊滅/4止 2万人以上の死者・行方不明者
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 ◇岩手、宮城、福島の海沿い すさまじい被害

 東日本大震災では予想よりはるかに高い津波が東北地方の太平洋沿いにおそいかかった。避難中や避難済みの人までがあっという間に高波にさらわれ、恐ろしいまでの被害をもたらした。

 ◇死者のほとんどが水死

■岩手県陸前高田市(元の人口2万3000人)

 津波でほぼ壊滅状態。大半の家が壊れ、市内はがれきと化した。残っているのは市役所やスーパーなどいくつかの建物だけで、8000世帯のうち5000世帯が被害にあったとみられる。

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津波で廃虚となった岩手県陸前高田市=2011年3月12日

 ◇「不明」2000人が無事

■宮城県南三陸町(元の人口1万7000人)

 ここも津波で壊滅状態。宮城県は3月14日、1000体ほどの遺体を確認した。町民1万人と連絡が取れなかったが、15日に約2000人の無事がわかった。

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津波で骨組みだけが残った建物=宮城県南三陸町で3月13日

 ◇火力発電所が火事

■福島県南相馬市(元の人口7万3000人)

 津波で1800世帯が壊滅状態。14日、市内にある東北電力原町火力発電所のタンク近くから出火し、一時は大きな炎と黒煙が上がった。

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学校の体育館に避難した人々=福島県南相馬市で2011年3月12日

 ◇小学校で70人以上が犠牲に

■宮城県石巻市(元の人口16万人)

 市立大川小学校では70人以上が犠牲になった。巨大津波が近くの川を逆流して約6キロ先の校舎をおそい、2階建ての屋根が少し見える高さにまで達した。市内では火災が起こり、全焼した小学校もあった。

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巨大津波が火災を引き起こした宮城県石巻市の門脇小学校

ニュースがわかる5月号

【関連リンク】

国土交通省 防災情報提供センター
http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/
日本地震学会
http://www.zisin.jp/
ぼくとわたしのさい害学習ウェブ(京都府亀岡市)
http://www.city.kameoka.kyoto.jp/kcm/jishin-web/index.html

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原発が被災、大事故に/1 被ばく逃れ7万人超避難
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爆発で壊れた福島第1原発。左は3号機、中央奥が4号機=2011年3月15日、東京電力提供

 東日本大震災では、原子力発電所(原発)の事故も起こった。東京電力の福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、原子炉の中心部が溶ける炉心溶融という重大なトラブルに見舞われた。建物の爆発も相次ぎ、施設の外に放射性物質が放たれ、被ばくの危険から逃れるために7万人を超す住民が避難した。野菜や水道水も汚染された。

 原発は核分裂という反応を利用している。ウラン燃料が核分裂した時に発生する熱でお湯を沸かし、水蒸気の力でタービンを回し電力に変えるしくみだ。この反応によって、人体に有害な放射線や放射性物質も同時に生まれる。だからトラブルになると大変なんだ。

 ふだんなら原発では核分裂反応がゆっくり連続して起こるようにコントロールし、高温になりすぎないように常に水を循環させて冷やしているよ。燃料はあまりに高温のため、原子炉を止めた後も水で冷ます。2800度くらいの高温になると燃料が溶けて放射性物質が出てくるから、プールの中で水に浸した状態にしているの。

 ■原発が海岸沿いにあるのは、冷やすために大量の水が必要になるから。でも、今回はこれが裏目に出て津波を受けて被害が大きくなった。

 ◇原発で起きうる重大事故

☆核分裂の反応がコントロールできず暴走して、原子炉が爆発する

☆燃料を冷やすのに失敗し、原子炉が溶けて壊れる

 典型的な重大事故は上の2種類。原子炉が壊れると、たくさん放射線を出す「死の灰」が飛び散ることになる。原発の安全策は「原子炉を止める」「原子炉を冷やす」「放射性物質を閉じ込める」の三つだ。

 ニュースがわかる 2011年5月号

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原発が被災、大事故に/2 続く爆発、放射性物質が外に
http://mainichi.jp/select/wadai/wakaru/saigai/archive/news/2011/20110323org00m040019000c.html
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 東日本大震災直後に原子炉は自動停止し、暴走は防げたが、冷やすのに失敗した。爆発や炉心溶融によって建物や燃料棒が壊れ、放射性物質を閉じ込めるのにも失敗した。

<1>冷却できず、水蒸気が大量発生

 地震や津波で機器が破損したり、非常用電源が確保できなかったりした。原子炉内を冷やせないので、水蒸気がどんどん発生した。原子炉内や周辺設備の圧力が高まった。爆発や火災が続き、建物が壊れた。その結果、放射性物質が外部に放出された。

<2>炉心が溶け出した

 原子炉内は水が蒸発して減り、さらに温度が上がるという悪循環になった。いつも水中にある燃料棒が水面から上になり、高温になって溶け出す「炉心溶融」が起こった。炉心溶融がどんどん進めば、原子炉が壊れる大事故になる。

<3>使用済み燃料プールも過熱

 施設内全体の温度が上がると、使用済み燃料を保管するプールの水も蒸発した。この水蒸気には高いレベルの放射性物質が含まれる可能性が高いが、壊れた建物から外に出た。

 放射線をあびるとどうなるのかニャ?

 放射線をあびることを被ばくというんだけど、大量に被ばくすると死ぬこともある。白血病になったり、臓器から出血したり、がんになったりする。放射線が細胞を壊したり、突然変異させたりするからだ。

 事故後、放射線量が高くなっている。心配だニャ。

 原発の建物周辺ではとても高く、1時間あたり500ミリシーベルトにもなった。たった30分で作業員の1年間の被ばく量の上限250ミリシーベルトに達してしまう。シーベルトは体への影響を表す放射線の単位で、250ミリシーベルトで白血球が一時的に減るそうだ。ベクレルは放射性物質が放射線を出す能力の単位だよ。

 関東地方まで広い範囲で観測されている。大丈夫?

 実は、人間は年間平均2.4ミリ被ばくしている。自然界にも放射線があるんだ。必要以上に神経質にならなくてもいいけど、なるべく体内に入れない方がいいから、情報に注意しよう。放射性物質に野菜や水道水も汚染された。でも、規制値はとても厳しく決められているから、基準以上のものを飲食したからといってすぐに健康を害するわけではない。

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 ◇震災で初めて、歴史に残る事故

 これまで世界で最も重大な原子力事故は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で、深刻さを示す物差しではレベル7。ついでアメリカのスリーマイル島原発の事故がレベル5。国内では茨城県東海村の被ばく事故がレベル4だった。

 地震による被害としては、2007年7月の中越沖地震の時、東京電力柏崎・刈羽原発で火災が発生したが、重大なトラブルには発展しなかった。今回の福島第1原発の事故は震災で初めての深刻な事故で、政府は4月12日、最も深刻なレベル7(暫定)に相当すると発表した。

ニュースがわかる 2011年5月号

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原発が被災、大事故に/3 原発頼りの日本
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 ◇電力の3割をまかなう

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エネルギー別発電電力量の移り変わり

 日本はアメリカ、フランスに続く原発大国。運転中の原発は54基で、福島、福井、新潟など、限られた地域に集中している。資源の少ない日本にとって、「原子力は少ない燃料でたくさんの電力を生み出すことができる」と推進されてきた。現在、電力の3割を原子力でまかない、20年後には4割以上に増やす計画だ。原発は石油や石炭に比べて二酸化炭素(CO2)の排出が少ないため、地球温暖化対策になると考えられている。

 ◇推進の動き一転、各国が見直し

 ヨーロッパやアメリカでも原発は温暖化対策になると見直されていた。急速に発展し電力不足が予想されている新興国でも原発への期待が高まり、アジアや中東など60カ国が導入を考えているといわれる。だが、原発先進国・日本での重大事故が急ブレーキをかけそうだ。スイスは建設をしばらく認めず、新たに安全対策のルールを定めることを決め、中国も一時、建設を中止した。

ニュースがわかる 2011年

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原発が被災、大事故に/4止 関東では連日の「停電」
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 被災地に発電所をもつ東北電力、東京電力では十分に電力を提供することができなくなり、大がかりな停電を避けるために計画停電に踏み切った。東京電力では地震被害で1625万キロワット分の発電ができなくなり、3月14日から計画停電を始めた。国の役所や多くの会社がある都心部をのぞき9都県が対象になった。節電する人が増えたものの、信号機が消えるなど生活を直撃した。

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停電で信号が消えたため、誘導されながら横断する小学生。車は渋滞の列ができた=さいたま市で2011年3月15日

■計画停電……発電電力量が消費電力をまかないきれないと予想される時、電力会社が地域別に一定時間、電力の提供を停止すること。戦後の混乱期以外で行われるのは初めて。

 ◇電車は運休、工場は停止に

 停電の計画を受けて、首都圏の鉄道会社は、運行区間を区切ったり、本数を減らしたりして対応した。電車が半分運休した路線もあった。社員を早く帰らせるほか、出社させない会社もあった。また、さかり場ではネオンを消し、大きなビルに入った店を休みにするなど節電の動きが広がった。

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節電のために街灯以外のネオンが消えた東京・渋谷のハチ公前=2011年3月14日

 ◇電力需要は夏場がピーク

 被災地の原発が運転を再開するためには相当の時間がかかる。事故を起こした原子炉は使用できない可能性もあり、電力不足は長く続くと覚悟した方がいいだろう。

 1年のうちで電力消費が最も多いのは、エアコンを使う夏場。東京電力の担当地域では最大6400万キロワット必要になるが、今のままだと4800万キロワットしか提供できない。いろいろな節電の試みを今から考えておく方がよさそうだ。

 ◇節電の工夫

使わない部屋の電気を消す

外出時には電気製品のコンセントを抜く

冷蔵庫の開け閉めは最小限に

テレビの音量は控えめに

洋服や帽子などで暑さ寒さをしのぐ

夏場はカーテンを閉める

 原発は地震がきても安全だと説明されてきましたが、この先、原発頼りのエネルギー政策を見直す必要が出てくるでしょう。政府は原発を輸出しようと、企業と一緒に外国に売り込んできたけど、今後は難しいかもしれないです。

ニュースがわかる 2011年

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ニュースがわかる目次:2011年5月号 4月15日発売
2011年04月10日
http://mainichi.jp/feature/news/20110404org00m100044000c.html
魚拓

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定価330円(年間購読3,960円)

月刊「Newsがわかる」は、小学校中学年から中学生をおもな対象に、ニュースをわかりやすく解説した雑誌です。

カラーの図表、イラスト、写真が豊富で、できごとの核心がひとめでわかります。

5月号のニュース解説のテーマは次の通りです。

 ◇<災害> 「巨大地震でまち壊滅」

 3月11日、東日本大震災が起こりました。マグニチュード9.0は日本の観測史上最大。海で起きた地震だったため、巨大津波が起こって東北の太平洋沿いに想像を絶する被害をもたらしました。原発事故まで引き起こし、今も深刻な影響を及ぼしています。

 ◇<技術> 「インターネットが革命起こす」

 インターネットが革命を起こす時代です。北アフリカのチュニジアやエジプトでは「フェイスブック」「ツイッター」を通じて国民の抗議行動がもりあがり、長期政権を倒しました。世界とつながるインターネットの発達が、言論統制や隠ぺいを許さなくなっています。

 ◇<生きもの> 「『春の小川』の生きもの図鑑」

 文部省唱歌の「春の小川」を知っていますね。あの歌ができてまもなく100年になります。歌詞をあらためると、当時の小川の風景は今とだいぶちがっていたようです。だんだん暖かくなってきました。家族で春の小川を観察しに出かけてみてはいかがですか?

 ◇<文化> 「現代に生きる『芸術は爆発だ!』」

 高度成長にわく1970年、大阪万博会場に「太陽の塔」を建てて人々のどぎもを抜いた芸術家がいました。岡本太郎(1911〜96年)です。「芸術は爆発だ!」といった名ぜりふで昭和の日本人に強烈な印象を残しました。今年は誕生から100年です。

 ◇<国際> 「産油国リビアが戦争状態」

 リビア国内が戦争状態になっています。41年も続いたカダフィ大佐の独裁支配に国民が反旗をひるがえしたのがきっかけです。アフリカ有数の産油国だけに、世界経済にも不安をあたえています。

http://mainichi.jp/feature/news/20110404org00m100044000c2.html
魚拓

 ◇その他の連載もお楽しみください

●人気まんが

 ◇杉山ただし作「トッポちゃんのなぜ? なに? 日本日記」……日本の調査にやってきた宇宙人の女の子がゆかいな騒動を巻き起こします。今回は「ファストファッション」を調査。新米調査員のプッチちゃんがおしゃれに頭を悩ませるわけとは?

 ◇森本サンゴ作「少女記者マイちゃん」……夕やけ新聞記者のマイちゃんは小学6年生。ワカル先輩といっしょに学校新聞のネタ探しに走り回ります。今回は伝説の(!?)事件記者として鳴らしたマイちゃんのおじいさんが登場します

●冒険エッセー「あんどうひろまさの世界一の旅」

●パズルで算数に強くなる「高浜先生の実験算数脳!!」

●インタビュー:ゲストはさかなクン

●食育のページ「タベルくんのおいしいクイズ」

 

防災関連エントリー:
東日本大震災の記録 大津波悲劇の中の救い、防災の備えが命を救った、英字紙記事も。

3・11東日本大震災「学校最多の犠牲者、石巻市立大川小」検証のために関連記事採録。 

3・11:東日本大震災 宮城・山元町の自動車学校、送迎手間取り25人死亡 

検証・大震災:3家族の3.11、陸前高田・河野さん、名取・佐藤さん、石巻・木村さん。 

3月11日〜3月28日のNYT写真集を全採録。直視し忘れないことが犠牲者への弔い。事実を伝えない日本のマスゴミは糞。 

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 「防災必需品+体験談」←グーグル検索です。普段からの備えが大事、参考にして下さい。以下、僕自身が用意している基本グッズのAMAZONリンクをはっておきます。

 ※をつけたグッズは、小さな子は別にして家族全員個人装備でも良いと思います。特にヘッドライトは明かりの欲しい作業の時などに使って重宝しています。夜、自転車の前照灯が球切れした時にも使い助かりました。雨具は傘以外に、即行で着脱できて両手が使えるポンチョもお勧めします。

ホイッスル 笛 ※(救出要請SOS、その他)

ヘッドライト ※

LED懐中電灯 ※

SONYポケットラジオ ※

SONY防災ラジオ←スマホ等 手回し充電可能タイプの

LEDランタン、お勧めは Colemanのランタン

・火を熾すもの(チャッカマン西洋 火打ち石

卓上カセットコンロ 

VICTORINOX多機能ナイフ ※

ポンチョ(アウトドア雨具) (←お勧め)※

 ロープは万能道具、普段から慣れておくことが大事。

決定版 ひもとロープの結び方 便利手帳 

使えるロープワーク―必ず役立つ「結び」の完璧テクニック (OUT DOOR)←アウトドア好きの方が書いた本。

アウトドア用のロープ ←リンクをはりましたが、一番良いのは登山用品店に行って説明を聞き、自分でも手にとって選ぶ事です(太さの感じが分かります)。通常、メジャーを使って1m単位で量り売りしてくれます。僕自身は、径3.5㎜と4.5㎜のでそれぞれ2m、3m、5mのを適宜本数組み合わせて普段からザックの隅に入れてます。また車にはそれに加え径8㎜で10mのを2本積んでます。細いロープは長いのだとうまく使えません。短いのを準備して使うのがロープに慣れるコツ。長さが足りなければつないで使えばよいのです。

 着るものを含め、防災グッズはアウトドアグッズを転用出来るわけですが、ザッグを例に取ると、防災用と比べアウトドア用のザッグは作りも頑丈ですし、使い勝手もはるかに良いです。

リュックサック ※

ザック ※

 意外と忘れるのがマスクとゴーグル。特にマスクは瓦礫の粉じん対策として必需品(特に肺がんを引き起こす石綿:アスベストに要注意)、避難場所での風邪の集団感染予防にもなります。またゴーグルは震災での粉じん対策だけでなく富士山が噴火した場合、大量の降灰に対する備えとしても必要。マスクとゴーグルは花粉症対策としても使え、何もしないよりは放射能降灰への備えとしても有用と思います。

山本光学のN95マスク  ※

山本光学の浮遊粉塵用セーフティゴーグル ※

 薬や救急用品など。これは個人それぞれ違うはず。以下は僕が用意しているもの。消毒用ジェルは避難所で用意しているはずですが、万一に備え感染症防御でこまめな手洗い用。スキンクリームはウォシュレットが使えない避難所で拭く時に使う切れ痔予防。裏技用途で、ジェルやワセリンはたき火が必要な時に火口(ほくち)に少し使うと火を熾しやすくできます。手ぬぐいはバンダナ代わりや鉢巻きにも使え、いざという時には包帯にもなる必需品。

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 以下追記、資料として採録。

阪神・淡路復旧作業石綿禍 東日本被災地にも暗い影
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/18/201208/0005483567.shtml
魚拓 

B_05483568 重機で解体される被災ビル。粉じんが舞う=1995年2月、神戸市兵庫区

 発生から17年半となる阪神・淡路大震災の被災地で、建物の復旧作業に伴うアスベスト(石綿)被害が新たに確認された。牙をむき始めた大震災の石綿禍。しかし、当時の環境庁(現・環境省)などによる石綿の飛散調査は「おおむね問題なし」との結果だった。時をへて相次ぐ中皮腫の発症は、実態把握の不十分さを浮き彫りにするとともに、東日本大震災の被災地にも暗い影を落としている。

 家屋全壊約10万棟、半壊約14万棟。阪神・淡路大震災の被災地では、倒壊した建物からすさまじい量の粉じんが発生した。日本では石綿消費量の約8割が建材に使われてきた。吹き付け材、屋根材、内装材、吸音材、外装材、耐火被覆材(たいかひふくざい)などだ。震災で崩れた建物のがれきには、命を脅かす「死の棘(とげ)」が含まれていた。

 当時の環境庁の調査によると、解体現場周辺で空気1リットル中の石綿繊維量は平均3~5・4本、大気汚染防止法の基準(10本)を下回った。一方、民間研究機関「環境監視研究所」(大阪市)の測定では、解体現場周辺で1リットル中160~250本が検出された。基準値をはるかに上回る。

 官民でデータに隔たりがあるが、中皮腫が増えているのは「飛散防止に有効な手を打てなかったことを示している」(専門医)とみる人は多い。

 解体が急ピッチで進む中、行政が現場に本格的な粉じん対策を指示したのは、発生から1カ月あまりたってからだ。復旧工事が急がれる中、石綿対策が後手に回ったことがうかがえる。

 発生から間もなく1年半になる東日本大震災の被災地でも、石綿の飛散に不安が高まっている。

 環境省の飛散調査では、約350地点のうち95・4%で「問題なし」との結果だった。しかし、現地調査をした森裕之・立命館大教授(公共政策)は「極めて不十分」と疑問を投げ掛ける。「建材は解体作業で細かく砕かれており、風向きによって測定値が大きく異なる。東北の被災範囲は広大で、阪神・淡路の教訓を踏まえて丁寧に測定すべきだ」と話す。

 被災地ではがれきの集積場が点在している。原発事故に伴う放射能汚染に目を奪われがちだが、宮城県石巻市の石巻赤十字病院の矢内勝・呼吸器内科部長は「がれきが身近にある以上、石綿の吸引を避けるために万全を尽くす必要がある」としている。(加藤正文)

【発症時期迎え被害拡大か】
 中皮腫で亡くなった宝塚市の男性=当時(65)=が阪神・淡路の復旧作業に携わったのは、わずか2カ月だった。震災アスベストの危険性を訴えてきたNPO法人ひょうご労働安全衛生センターは「十分な飛散対策がないまま、復旧解体が街中で繰り広げられた。労働者だけでなく、住民やボランティアへの被害も懸念される」と指摘する。

 石綿が肺の中に入り、中皮腫や肺がんといった石綿疾患を引き起こすまでの潜伏期間は、十数年から40年とされる。阪神・淡路大震災から17年半、同センターの西山和宏事務局長(50)は「発症時期に入ったのではないか」と警戒感を強める。

 近年、復旧に携わった労働者の石綿疾患が相次ぐ。2008年、解体にかかわった兵庫県内の男性の中皮腫発症が判明。その後、解体作業の現場監督を務めた芦屋市の男性、がれきを収集した明石市職員の発症が確認された。

 しかし、いずれも発症と震災時の石綿飛散との明確な因果関係は証明されておらず、兵庫県の井戸敏三知事は「原因が阪神・淡路大震災だとはなかなかなりにくいのではないか」などと繰り返し発言している。

 これに対し、今回の宝塚市の男性のケースでは、石綿に触れる機会が震災後の復旧作業に限定される。男性の妻(67)は「夫と同じような作業をしていた人は多いはず」との思いで、夫の病状の公表を決心した。

 被害拡大や不安解消に向け、行政の速やかな対応が求められる。(中部 剛)

2012/8/24

 

論壇
アスベスト禍の衝撃 史上最悪の産業災害
命に突き刺さる棘、震災復興でも深刻な被害が

http://gendainoriron.jp/vol.03/rostrum/ro03.php
魚拓 
Internet Archive 

神戸新聞編集委員 加藤 正文


国賠勝訴 
複合型ストック災害 
クボタショック 
震災アスベストの脅威 
相次ぐ発症 
異常事態の中で 
繰り返される過ち 
課題を示す窓 


 原発事故とアスベスト(石綿)禍には被害の構図が共通している。過去に地震や津波が繰り返し発生した地に原発を起き、研究者が再三、その危険性を警告していたにもかかわらず、虚構の「安全神話」の中で稼働を続けた。一方、石綿も戦前から有害だと分かっていながらも、その有用性、経済性から「管理して使えば安全」と国は十分な規制を行わず、約1千万トンを消費した。使用禁止は北欧に遅れること20年、ヨーロッパ諸国に遅れること10年以上たった実に2006年だ。

 原発事故は「史上最大・最悪の公害」(宮本憲一・大阪市立大名誉教授)であり、石綿禍もまた「史上最大の産業災害」(同)である。筆者は2005年6月末、兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場内外で深刻な被害が発覚した、いわゆる「クボタショック」以降、各地で取材を重ねてきた。その成果を『死の棘・アスベスト』(中央公論新社、2014年)として刊行した。石綿はその使用状況の広がりを反映して、被害状況も多様だ。本稿では、①石綿産業の原点としての大阪・泉南②アジア最悪の被害を出した兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場③今後、深刻な被害が懸念される震災アスベスト-の3点で被害と不作為の構図を描いていく。


国賠勝訴

 「勝訴」「最高裁、国を断罪」。原告側の弁護士の旗が出ると、最高裁前に詰めかけた被害者らから拍手がわいた。2014年10月9日、石綿を吸って肺がんや中皮腫などを患った大阪・泉南地域の元工場労働者らによる国家賠償請求訴訟で、最高裁は国の賠償責任を初めて認める判決を言い渡した。

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知られざる地場産業だった大阪・泉南の石綿紡織産業。100年の時をへて最高裁が国の不作為を認定した(大阪アスベスト弁護団提供)

 「労働環境を整備し、生命、身体に対する危害を防止するために、国は技術の進歩や医学知識に合うように適時適切に規制権限を行使すべきだ」。この「適時適切」という理念を盛り込んだ判決が確定するまでに、どれほどの苦難があったことだろう。病気に斃れた無数の声なき声が、100年もの長い時を超えて重い扉をこじあけたのだ。

 関西空港の対岸、大阪府泉南市、阪南市を中心とする泉南地区は、日本の石綿紡織産業の原点の地だ。中小零細の工場が集積し、戦前は軍需産業、戦後は自動車や船舶、機械などの基幹産業を支えた。最盛期には約200社が稼働し、約2千人が就労したという。戦前から石綿紡織工場の全国一の集積地として発展した。

 主な製品は、石綿を主原料に綿花などを混紡した糸、そして、この糸を布状やひも状に加工したものだ。耐熱性、絶縁性にすぐれ、各種パッキング、蒸気機関車などの防熱ふとん、自動車の摩擦材などに幅広く使われた。「小はランプの芯から、大は重化学工業の発熱部を覆う断熱材として欠かせなかった」(柚岡一禎・泉南地域の石綿被害と市民の会代表)。あちこちに工場が点在し、「街全体が石綿工場のようだった」といわれるが、今の街並みからは想像もつかない。高度成長期をピークに生産は次第に先細り、産地は消えた。長年、数多く労働者や住民が石綿による肺の病気で苦しんできたが、2006年、石綿対策の不備について国の責任を問う集団訴訟が提起されるまで知る人は少なかった。「国は石綿の危険性を知っていた、対策を取ることもできた、でも、やらなかった」。長い間、隠されてきた被害が表に出た瞬間だった。

 戦前の調査がある。国は1937(昭和12)年、泉南地区の被害をつかんでいた。旧内務省保険院の調査で、労働者の石綿肺罹患率が12・3%に上ることが判明した。担当医師らの「有害工業に属し法規的取り締まりを要する」との警告が残る。だが、国はこれに対して不十分な症例調査にすぎないとの立場をとった。その後も罹患率は10%を下回らず、労働基準監督署が調査を重ねた。しかし、「被害は深刻ではなかった」という見解を譲らなかった。 クボタのような大企業と違い、泉南はほとんどが零細企業で対策も不十分だ。「だからこそ国に被害拡大を防ぐ責任があった」。石綿問題に詳しい立命館大の森裕之教授(公共政策論)は国の不作為を指摘する。

 訴訟は2陣あり、1陣の地裁、高裁、2陣の地裁、高裁。そして今回の最高裁、過去5回の判決が投げ掛けるのは、一体、何のために労働関係の法規はあるのか、という根本的な命題だ。いくつもの曲折があったが、最高裁判決は、人間の命と健康を守るため、という基本原則を明確に示した。

 不断の努力で最新の知見に合わせて健康被害を予防する。被害が発生しているのならば、根絶まで対策を取る。これは法律や規則以前の行政の当然の責務だが、縦割りの官僚機構の中でその意識はかなり薄れている。あえてこの原則を厳しく指摘したところにこの判決の最大の意義がある。


複合型ストック災害

 手元にアスベスト(石綿)の原石がある。白く毛羽だった繊維のついた蛇紋岩。カナダ・ケベック州の鉱山都市セッドフォード・マインズの取材時にもらったものだ。

 壮大な露天掘りの鉱山に立ったとき、上流から下流へ流れる川のように、採掘された石綿が輸出され、港から工場に運ばれ、加工され製品となり、最後に瓦礫として廃棄される様子がまざまざと脳裏に浮かんだ。 熱や引っ張りに強く、燃えない。そして何より安い。産業革命とともに本格利用が始まり、各国の経済成長を支えた。その用途は建材、水道管、パッキング、シール材、ブレーキ材など実に3千種類に及んだ。

 かつては「奇跡の素材」と喧伝され、有害な「悪魔の素材」にもかかわらず、大量に使われた。日本は1千万㌧を消費した。1970年代にWHO(世界保健機関)やILO(国際労働機関)が発がん性を指摘したのに、日本が使用禁止にしたのは前述のとおり2006年。建物など社会のあちこちに蓄積(ストック)された石綿。髪の毛の5千分の1の微細な繊維は吸引すると長い潜伏期間をへて中皮腫や石綿肺などの病気を引き起こす。「生産・流通・消費・廃棄の経済活動の全局面で複合的に影響を与えるストック災害」(宮本・大阪市大名誉教授)とされる。近代化の初期に大量使用され、経済成長が一段落するころに「死の棘」の本性をみせる。これが複合型ストック災害の恐怖だ。

 日本で中皮腫による死者は2006年から毎年千人を超え、10年は1209人、11年1258人、12年は1400人、13年は1410人と増加。兵庫、大阪、東京、神奈川で多い。石綿を扱う工場などで働いたことがないのに病気になった人の数は中皮腫と肺がんで8千人を超え、その半数が亡くなっている。

 一方、労働災害として認定される人の数は毎年千人を超えている。高度成長期に起きた四大公害事件よりも被害者が多くなるのは間違いない。規制の決定的に遅れを踏まえると、被害のピークは2030年と予測される。


クボタショック

 アスベスト問題が労災を超えた公害であることを明確に示したのは、2005年6月に起きた「クボタショック」である。ショックたるゆえんは、工場の元従業員のみならず周辺住民の間で中皮腫が多発していることが発覚したからだ。中皮腫は石綿に起因する極めて予後の悪い特異性疾患だ。それが工場の周辺に広がっていた。発症状況を地図に落とすと、この特異な病気が工場の半径4キロにわたって広がっている状況が浮き彫りになる。

 2014年9月末時点で周辺住民と元従業員の死者は435人となり、アジア最悪の被害となっている。住民の被害者は263人で、元従業員(172人)を上回る。「俺、何か悪いことしたか」「1億円もらったってこんな病気、嫌」「クボタによる陰湿な殺人」「健康な体を返してほしい」―。不条理に命を奪われた患者たちの言葉はあまりに重い。

 クボタの社長は道義的責任から謝罪し、原則半径1キロの発症については救済金を支払ってきたが、肝心の因果関係についてはいまだに認めようとしない。「お見舞い金の延長」(首脳)という見解にとどまる。


震災アスベストの脅威

 重機がうなりをあげて建物を壊していく。むき出しの鉄筋、破砕された建材、積み上がる膨大ながれき、舞い上がる粉じん…。東日本大震災の被災地で続いた光景は、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災の状況と重なる。当時、全国から駆けつけた労働者たちは、復旧復興のためにひたすら解体作業に打ち込んだ。すぐそばではごく当たり前の日常生活が営まれていた。あたりを舞う粉じんに潜む「死の棘」の存在を、気に留めることはほとんどなかった。

 来年1月で丸20年となる。神戸の街に震災のつめあとは感じられなくなった。順調に「復興」したかのように見えるこの街で、肺の奥に突き刺さった微細な繊維、アスベスト(石綿)が牙をむき始めている。がれき処理に関わった人が相次いで、石綿に起因するがん、中皮腫を発症しているのだ。吸引後、10数年から40年たって発症するのが石綿のリスクだ。

 「チュウヒシュ? 俺が?」。2012年5月、兵庫県明石市にある県立がんセンターで思わず問い返した。医師の診断は「腹膜中皮腫」。高濃度のアスベスト(石綿)暴露で起きる病気だ。明石市環境部の男性=当時(48)=の仕事はゴミの収集業務だが、石綿との関連を考えるうちに、1995年の阪神・淡路大震災時に思い至った。

 男性は当時、がれきの処理業務に奔走した。ブロックやスレート、木材など震災で全半壊した住宅のがれきをパッカー車に積んで、処分場に運んだ。波形スレートは半分に割って車に押し込んだ。2、3トン積みの車だったが、可燃であろうが、不燃であろうがお構いなしだったので「5、6トンは載せていた」。

 処分場にがれきを投入する。荷重が重すぎて油圧で荷台が上がらないのでパッカー車の中に入ってがれきをかきだした。狭いパッカーの中はすさまじい粉じんだった。「使い捨ての紙マスクを2重にして使っていたけど、鼻の中まで真っ黒になった」。当時、焼却場は壊れていたのですべてのゴミを埋め立て処分場へ。破砕してブルドーザーでならした。舞い上がる粉じんとともにがれきはうずたかく積み上がった。

 時は流れ、2011年暮れ、下腹部にできたしこりに気づいた。それが見る間に大きくなった。「当時、俺よりもたくさんアスベストを吸い込んだ人がいた。神戸に来ていたボランティアの人もそうだ。俺が病気になるというとは、これからもっと多くの人が発症するということ。入念な検査をみんなにしてほしい」。男性の病状は悪化し、2013年10月に亡くなった。


■ 相次ぐ発症

 時がたち、阪神・淡路大震災の生々しい記憶が遠ざかる中で、石綿関連疾患の発症が相次いでいる。2008年3月、震災時の解体作業で石綿を吸ったため、がんの一種、中皮腫になったと訴えた兵庫県内の30代の男性を、姫路労働基準監督署が労災認定した。震災時作業による労災認定は初のケースだった。石綿の被害は潜伏期間が十数年~40年とされる。「震災による石綿疾患はいずれ爆発的に発生する」と、かねて懸念されてきただけに、いよいよ来たのか、という覚悟を迫る発症の報告だった。

 2009年5月、芦屋市の男性=当時(80)=が労災認定された。中皮腫と診断されたのは2007年。元建設会社の営業マンで、震災後の95年10~11月、人手が足りず、解体作業で現場監督を務めた。重機の巨大なハサミが建物をつかむと、左右に10メートルほど粉じんが広がった。労災を申請すると、労働基準監督署は建設会社に勤務していた77~98年の約22年間に石綿に触れたと判断した。しかし、渾大防さんは「営業マン時代、建設現場に出ることはほとんどなかった。石綿を吸い込んだのは、震災時の現場監督時代しか思い当たらない」と話す。13年暮れ、男性は死去した。

 2012年8月には、宝塚市内の男性(11年に65歳で死去)も労災認定された。この男性は衣料品販売をしていたが、震災で仕事ができなくなり、1995年2月、作業服に着替えてアルバイトとして工務店で勤務した。民家からずり落ちた瓦を集め、屋根にブルーシートをかけた。マンションの改修工事にも立ち会った。マンションの室内では職人が壁や天井をはがしたり、電動のこぎりで建材を加工したりしたため、相当量の粉塵が部屋にたちこめた。妻(67)は今、夫のかぶっていた野球帽にほこりがたくさんついていたことを思い出す。工務店のアルバイトはわずか2カ月。この間に石綿を吸い込んだ。16年後に中皮腫を発症し、2011年10月に死去した。妻は悲しみを口にした。「がれきの中のアスベスト(石綿)のことなんて考えもしなかった。お父さんは悔しかったと思う。同じ哀しみを東北の被災地で決して繰り返さないでほしい」

 同じ月、兵庫県内に住む別の70歳代男性も神戸東労働基準監督署から労災認定されたことも判明。3年近く瓦礫処理作業に携わったという。労災認定などで表面化する被害だけで5人。その背後で、解体、瓦礫収集、運搬、処理などの復旧・復興に関わった数多くの労働者が次々と石綿禍に倒れている。これが阪神・淡路大震災の被災地の現実なのだ。


異常事態の中で

 死者6434人、家屋全壊約10万棟、半壊約14万棟。現場は異常事態であり、緊急事態だった。

 「最悪の労働環境だった」。解体や瓦礫処理に携わった労働者たちの証言だ。神戸市兵庫区で工務店を経営する男性(81)は振り返った。「マスクどころか、タオルもまかずに仕事した。石綿が危ないなんて考える余裕はなかった」「防護シートを張らずに解体した。飛散を防ぐために水をまこうにも、水道管が壊れて水は出なかった」

 発生約1カ月後から一斉解体が始まった。無数の業者が被災地に集まり、神戸だけでも100件、兵庫県内で200~300件の解体が同時に進行したという。住民への情報開示、飛散対策が積み残されたまま、混乱の中、大量解体が進んだ。一体、どれだけの粉じんが街中を舞ったのだろう。当時、がれきの街を取材で回りながら、のどがいつもいがらっぽく、目が痛かった記憶が残る。

 都市では高度成長期以降、郊外型の開発に力が注がれ、インナーシティーと呼ばれる中心部の再開発は遅れてきた。ニュータウン開発に力を入れた神戸では、とりわけインナーシティー問題は課題となっていた。そこには石綿を含む老朽建築物が数多く取り残されており、災害対策としても石綿に十分注意が払われてこなかった。震災時の兵庫県地域防災計画には環境保全の記述はなく、10年後の復興10年委員会の「総括検証・提言報告」にもアスベストの文字は一カ所もない。

 「これは単なるアスベスト対策の欠陥ではなく、日本の都市政策、災害対策、復興政策の欠陥と関連している」(宮本、森永、石原編『終わりなきアスベスト災害』岩波書店、2011)。この指摘が重くのしかかる。

 しかし、自治体の対応は鈍いといわざるを得ない。東日本大震災の起きる1年前の10年5~8月に掛けて立命館大は全国の自治体に地域防災計画に震災時アスベスト対策を盛り込んでいるかどうかを調査した。結果、72・5%が「現在、盛り込んでおらず、特に盛り込む予定はない」と回答。そのうち、環境省が07年に策定した災害時の石綿飛散防止マニュアルについても、「認識していない」「確認していない」としたのは5割超。

 これが日本の石綿対策の実情である。そこに東日本大震災が起きたのだ。


繰り返される過ち

 東北の被災地に点在する瓦礫の集積場で遊ぶ子どもたち。倒壊した建物の前で、マスクをつけずに普通に歩く中高生…。「目に見えないアスベストが飛散しているから、できるだけマスクを」。そんな思いが募る。阪神・淡路大震災の被災地であまりに無防備だったからだ。

Kato_asbestos2 積みあがる震災がれき。微細な石綿繊維の飛散が懸念された。阪神・淡路大震災の教訓は生かされたのだろうか=2012年、宮城県石巻市

 津波に根こそぎ奪われた東北の町は、当初は声を失う惨状だったが、その後、がれきの様子が気になった。宮城県石巻市。2012年秋に県立石巻商業高校(約580人)の隣に広がるがれきの集積場には驚いた。高い囲いが巡らされ、白い袋詰めされた膨大ながれきが積み上がっている。搬入された後、生徒から「喉が痛い」「目がかゆい」などの声が寄せられたため取られた措置だった。

 がれきは、撤去、運搬、仮置き、処分の全過程で粉じんが発生する。倒壊家屋や破損した船舶には、ふきつけられたり、練り込まれたりした石綿がたくさん含まれている。当初、環境省の担当者は「津波で塩水にぬれ、石綿の飛散が抑制されている」としたが、乾燥が進み、破砕や運搬作業が進む中で、当然、飛散する。

 がれきの総量は東日本2300万㌧、阪神・淡路2千万㌧だ。東日本大震災に特徴的なのは、沿岸には製紙業をはじめ、さまざまな工場があることだ。長期間、排水を流したことで、海底にはさまざまな物質が蓄積している。「津波は、海底に沈殿していたものを一気に陸に揚げた。産業廃棄物を含むヘドロは普通の泥ではない」と石巻赤十字病院の矢(や)内(ない)勝・呼吸器内科部長が警告する。発生2カ月後に訪れた際、海底にたい積したヘドロが津波で打ち上げられていた。臨海部にそびえる日本製紙石巻工場の周りを歩いていると、雨が降り出した。それまで白っぽかった泥が、雨にぬれると、どす黒く変色した。石綿、砒素、鉛…。危険物質は数多くある。

 東日本で阪神・淡路とは決定的に異なる点がある。犠牲者の9割が建物倒壊による「圧死」が阪神・淡路なのに対し、東日本では死因の9割が津波による「溺死」だ。これはそのまま石綿被害にもあてはまる。破損した建物が津波で流され、そして有害なヘドロが沿岸部に拡散している状況を踏まえると、粉じんの飛散に伴う健康被害は、阪神・淡路大震災よりもはるかに広域になる危険性がある。

 環境省は東北の被災地で11次にわたってモニタリング調査を行った。結果、1713地点のうち99・6%で問題がなかったという結果だった。「おおむね問題なし」と環境省の大気課長(当時)はいう。ここでも20年前の阪神・淡路大震災の当時と似ている。

 しかし、「調査はきわめて不十分」と森裕之・立命館大教授(公共政策)は言う。被災地ではがれきの量を減らすために成形板を破砕しているケースがあるといい、「破砕物は風向きで測定値が大きく異なる。被災のエリアは400㌔にわたる広大な地域だ。もっと丁寧な測定が要る」と話す。


課題を示す窓

 大震災の発生でどれだけの石綿が飛散したのか、完全な把握は難しい。とはいえ、できることはある。まず、アスベストを含んでいた建物の倒壊した地区を中心に、当時の住民や解体・撤去にかかわった労働者らを登録し、健康診断を継続しなければならない。土木工事に他府県から多くの労働者が神戸・阪神間にやってきた。これはボランティアも同じだ。アスベストに暴露したというリスクを本人に周知させ、健康診断を受けなければならない。

 もう一つ必要なのは、私たちの住む街にいったいどれぐらいの石綿が蓄積しているのか。神戸市は固定資産税台帳によって建物の建築年次を調べ、アスベストの飛散可能性のあるものをチェックしている。これは公表していないが、地図に落とし込んでいるので、アスベストマップとしても活用できる。

 「大震災の発生時、ふだんは見えない社会の課題を示す窓が開く。その窓はごく短い期間に閉じてしまう」。阪神・淡路大震災のちょうど1年前の1994年1月17日、米カリフォルニア州ロサンゼルス市ノースリッジで起きた大震災の報告書にはこんなフレーズがある。窓が開いているうちに、根本的な対策がとれるか。神戸で生かせなかった阪神・淡路の教訓を、東日本で生かさなければならない。これは石綿問題にとどまらず、私たちの社会の未来にかかわる問題である。

主要参考・引用文献

(1)中部剛、加藤正文『忍び寄る震災アスベスト 阪神・淡路と東日本』、かもがわ出版、2014年

(2)加藤正文『死の棘・アスベスト 作家はなぜ死んだのか』、中央公論新社、2014年

(3)立命館大学政策科学会編『別冊政策科学 アスベスト問題特集号』、2008、11、12年

※新聞、雑誌、インターネットサイトの記事、各種訴訟の訴状、判決文などを参考にした。


かとう・まさふみ

1964年西宮市生まれ。大阪市立大学卒。89年神戸新聞入社。経済部、北摂総局、阪神総局、論説委員などを経て、現在、経済部次長兼編集委員。著書に『工場を歩く-ものづくり再発見』(神戸新聞総合出版センター)、『工場は生きている-ものづくり探訪』(かもがわ出版)、『忍び寄る震災アスベスト 阪神・淡路と東日本』(共著、かもがわ出版)、『死の棘・アスベスト 作家はなぜ死んだのか』(中央公論新社)など。


   「いのちに突き刺さる」アスベストの悲惨―――
真正面から立ち向かった著者渾身の
「怒りと告発」の書に戦慄する。
――内橋克人氏(評論家)

これは“影の日本経済史”であり
世界的スケールで“白い肺の恐怖”を
描いた力作である。
――黒木亮氏(作家)

『死の棘・アスベスト』
加藤 正文著 中央公論新社 定価1700円(税別)

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